安全性に関する情報
適応症:
ExAblate Neuro (エクサブレート・ニューロ) は、薬剤の効かない震えのある特発性本態性振戦 (ET) 患者の片側視床破壊治療への使用を意図しています。患者は22歳以上であること。
発症の可能性のある合併症 (有害事象) について、医師としっかり相談してください。インサイテック社後援の臨床試験では、この治療で最も多かった有害事象は、1) 不均衡/歩行障害 (臨床患者の26%)、 2) しびれ/うずき (33%)、 3) 頭痛/頭の痛み (51%) でした。これらの事象の大半は軽度や中等度に分類され、 全有害事象のうち48%が30日以内に自然治癒しました。3年間続いた有害事象はすべて軽度や中等度であり、しびれ/うずき(臨床患者の9%)、不均衡 (4%)、不安定 (4%)、歩行障害 (2%)、筋骨格の衰弱 (2%) などが含まれています。まれにめまい、味覚障害、舌のもつれ、疲労、嘔吐などの事象が発生することもあります。安全性に関する追加的情報については、 FDA Pre-Market Approval (PMA) P150038を参照してください。繰り返しとなりますが、治療前にリスク、利点および治療の選択肢について医師としっかり話し合ってください。
禁忌
ExAblate Neuro (エクサブレート・ニューロ) が適さない患者もいます。医師が適切な治療の選択肢を提案できるようにするため、次にあてはまる患者は医師に申し出てください。
- ペースメーカー、神経刺激装置、脊椎や骨固定装置、人工関節、金属クリップ、ねじなどの金属製インプラントがある場合、対象者とならない場合があります。MRの強磁場による患者の負傷防止のため、金属製インプラントは非磁性体であること。
- 一般に治療に耐えられない健康状態であり、約3時間同じ姿勢を保てない場合は、本治療の対象者とならない場合があります。最近の心筋梗塞 (心臓発作)、うっ血性心不全 (心臓周囲に血液の滞留)、不安定狭心症 (胸痛)、脊髄状態などの健康問題は、医師と話し合う必要があります。
- 頭皮に広範囲の傷がある場合、対象者として適切でない可能性があります。
- 頭蓋骨内に腫瘍がある場合、対象者として適切でない可能性があります。
- 透析を受けている場合、対象者として適切でない可能性があります。
- 活動性感染症、重度の血液疾患、神経疾患またはその他制御不能な疾患がある場合、対象者として適切でない可能性があります。
医師がExAblate Neuro (エクサブレート・ニューロ) 療法との適合性を適切に評価できるよう、上記の全条件について医師に相談してください。
警告
- 造影剤のイメージングでのアレルギー反応経験の有無を医師に知らせること。MR造影剤にアレルギーのある患者は対象者として適切でない可能性があります。コントラスト画像と非コントラスト画像の両方を収集すると、サーマルアブレーションの効果を確認できることがあります。アブレーション効果の評価のため、他のイメージング法を検討する場合もあります。
- 最近または過去の薬物療法を含み、それに限定されない薬物アレルギーの可能性について医師にお知らせください。
- 医師は患者の全身の状態を完全に評価するため、完全な医学的評価とカルテの完全なレビューを行うこと。これは安全かつ効果的なExAblate Neuro (エクサブレート・ニューロ) 治療実施のために必要です。
- 頭に傷があれば医師にお見せください。瘢痕組織は周囲の組織と異なり熱による損傷を受けやすいため、それがビームの進路にある場合、疼痛を引き起こす可能性があります。代替ビーム経路を使用して、瘢痕組織を回避できることがあります。
- 治療開始前に [Stop (停止)] ボタンが渡されます。痛みがある場合や動く場合は、 [Stop sonication (超音波停止)] ボタンを押し、負傷しないようにしてください。痛む場合は医師にお伝え下さい。その場合医師は治療の変更 (ビーム経路を変更して痛みを最小限に抑える、超音波を遅くして熱放散時間を延長、薬剤投与など) を検討して痛みを和らげてください。痛みを医師に伝えない場合、重傷を負うおそれがあります。[Stop sonication (超音波停止)] ボタンは、患者のためのシステム組み込み安全機能です。
注意事項
- 服用中の薬および、あなたに血栓が発生しうるリスクや性質について医師にお伝え下さい。ExAblate Neuro (エクサブレート・ニューロ) 治療には身体固定時間があります。治療中は長時間ずっと横たわっておく必要があるため、血栓形成のリスクが増大する可能性があります。血栓のリスクが高い場合は、医師チームが追加で検査を行ない、潜在的な問題回避のための処置中に薬物を追加投与することがあります。このリスクを最小限に抑えるため、加圧ストッキングやその他の対策を講じることがあります。これは、同じ期間の他の手順と変わりません。
- 台に長時間横になることで影響を受けるかもしれない身体疾患があれば医師にお知らせください。身体疾患には、首や背中の問題 (椎間板ヘルニアや圧迫神経)、重度の関節炎などが含まれることがあります。
- 治療中動かないようにするため、脳神経外科医が定位治療用フレームを頭に取り付けます。それでも超音波照射中は動かないようご注意ください。火傷を防ぐため、頭の周りに冷水が循環します。治療中の快適性を高めるため薬剤の投与もできます。治療開始前に[Stop sonication (超音波停止)] ボタンが渡されます。治療中ずっと持っておくことになります。痛みや不快感が大きい場合はこのボタンを押して治療を中止し、その理由を医師にお伝えください。このフィードバックで医師は調整を行い、問題に対処できます。
治療のリスク
- ExAblate Neuro (エクサブレート・ニューロ) 治療後、まれな合併症が次の通り報告されています。
短期リスク – 治療日から3か月後まで
- ExAblate Neuro (エクサブレート・ニューロ) 機および視床破壊術に関連する最もよくある潜在リスクは、一過性のしびれやうずきです。これらの感覚の強さは通常軽度から中程度であり、超音波照射時間と同程度の時間または数日という短期間の間続きます。超音波照射中の頭痛や頭の痛みおよび平衡失調または不安定さは他の潜在リスクでしたが、そのほとんどは治療直後になくなります。
- 吐き気/嘔吐報告例もあります。これが治療中に使われた薬に関連しているのか、または治療自体に関連しているのかは不明です。
- 採血後に静脈カテーテルを同じ部位に行うと部位にあざが生じることがあります。あざは1週間以内に自然治癒するはずです。
長期リスク – 治療後3か月以上持続
- 全体的にExAblate Neuro (エクサブレート・ニューロ) は最小限のリスクで本態性振戦 (ET) を治療する合理的かつ安全な方法です。ExAblate Neuro (エクサブレート・ニューロ) 治療後に報告されているまれな合併症としては、長期的なしびれやうずきがあります。さらに、(意図しない) 脳組織が損傷した場合、筋力低下、しびれ、感覚消失の可能性があります。これは数か月後に解消または回復不能の可能性があります。